衣紋を抜きたいけど着ているうちに詰まってしまう・・・
衣紋抜きが付いていない襦袢、紐付きの襦袢、すべりやすいポリエステルの襦袢の場合、衿合わせの時も思うようにいかなかったり、着付けている途中や着付けてからも衿が詰まってくることがあると思います。
特に体格の良い方や首が短めな方はしっかりと衿を寝かせて衿周りをスッキリ見せたいものです。
ぜひ試してみてください。
衣紋が詰まる、その原因は?
- 前身ごろが胸に十分かぶっていない。
- 胸紐の位置、締め具合の加減で固定されていない。
- 襦袢の素材が滑りやすい。
- 肩線が前の方に来ている。
- 紐付き襦袢の場合、紐の位置が自分に合っていない。
- 衿を合わせる時に衿を持つ位置と動かし方が適切ではない。
また、
- ずっと下を向いているなど、着付けの姿勢が良くない。(→まっすぐ前を見て、上半身は動かさないようにします。)
- 着付けに必要な一式を順番に用意していない。着付け途中に探す、取りに行く。(こちらも姿勢が良くないと同様です。)
そして、二次的要因ですが、
- 着物の重みで衿が前に浮く。(→着物の衿を上から被せるようにはおっているのが原因。衿は下から重ねるように合わせます。)
- していませんか?洋服感覚でついつい衿を下に引いて直そうとする。
衣紋を固定する
実はまい吉も一部式長襦袢は苦手。なで肩ではないし、太り気味の時は首が短く見え、それまでの着方では満足いかなくなりました。
そして、紐付きの一部式長襦袢で、どうしても衣紋を開けたい生徒さんのために良い方法はないか色々試しました。
元同僚きもの講師に聞いても「やっぱり、この方法が一番ね。」ということで、今回の記事にしました。
紐の準備
まずは衣紋抜きの代わりにモスリン紐を安全ピンで固定します。
衿下から10㎝~13㎝(体型・身長により調節)の背縫いに安全ピンで留めます。
縫い付けても良いです。
モスリン紐を身八口に通しておきます。
襦袢の着付け方
1.襦袢をはおり、背中心を合わせる。
2.肩山線を後ろにずらし、衣紋の抜き具合を調節する。
3.重要!腰のあたりの襦袢を下に引き、衣紋をU字にする。
4.首の横の衿を外側に少し引く。
5.身八口に通してあるモスリン紐を結び衣紋を固定する。
6.身頃を胸に被せるように、衿を深く合わせます。衿は大きく持ち上げずにスライドさせるように最小限の動きで!
衿を寝かせるには身頃を「胸に被せること」が有効です。
このような形の襦袢の場合、ちょうど胸下に来る衿位置(ここでは衿先)を持ち、胸に被せると上手く衿が寝かせられました。
さらには「柔らかい衿芯を使う」ことをお勧めします。
7.反対側も左右対称に被せる。
8.胸紐をする。位置は胸下。紐付き襦袢はその紐で衿合わせを固定する。
9.端を始末する。
10.後身ごろを同時に引いて、背中のシワ取り忘れずに。
11.もう一度衣紋を引いておく。
12.はい、完了。
伸びる包帯がぽわんとしていますが、シュッとつぶれてくれますので大丈夫です。
次に伊達締めをします。
紐だけでしっかり衿位置が固定されて、衣紋が抜けていれば伊達締めはなくてもOKです。または紐ではなく伊達締めだけでもOKです。
夏の暑い時は特にいかにして省略するかを考えます。慣れてくると最初のモスリン紐も要らなくなるでしょう。
ちなみにこの襦袢はポリエステルの絽です。
いかがでしたでしょうか?衿詰まりの不安は解消されましたか?
ぜひ試してみてください。