帯枕。
お太鼓系の結びと言えば帯枕。
よく考えられた形状だと思います。
でも・・・見れば見るほど不思議な物体です(笑)
帯枕の種類と役割
役割:帯枕は一重太鼓や二重太鼓結びをする時にお太鼓の上線を綺麗に保つためのものです。
また、変化結びではお太鼓の膨らみを持たせ立体感を出したり、結び目を押さえる役目もします。
一重太鼓や二重太鼓では帯の上線を土台としてその上に乗せます。
素材もいろいろあるのでなるべく軽いものを選びましょう。
形は微妙に違います。上線がカーブしたもの、真っ直ぐなもの、こちらもお好みで選びます。
大きさもいろいろです。単体や紐付き、ガーゼ付きなどもあります。
お太鼓の角が折れないと言う理由で、長い帯枕は柔らかい帯に適しています。
ちなみにまい吉は普段でも礼装でも同じ形のものを使っています。
ごく普通はこちら↓
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汗ばむ季節にはこちら↓
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単体や紐の帯枕をお持ちの方は・・・
付属の紐だけではしっかり止まりにくいです。紐は引き抜けるものもあるのでガーゼに取り換えることをお勧めします。
ガーゼは枕全体を包みます。その結果、枕の面全体でしっかりと帯を支えることになります。紐では線で押さえるだけになり支える力は弱くなります。
ガーゼの作り方
ガーゼは両手を広げた長さと同じぐらいの長さを取ります。この長さはご自身の約身長分になります。(長い場合は後で調節してください。)
両端をそれぞれ逆に折っておくと結びやすいです。縫わなくてもくっついててくれます。
でも、折らなくても問題はないです。
真中に帯枕を置いてガーゼでくるみます。
真中、両端の順でゴムを止めます。出来上がり!
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着せ付けの補整にも愛用しています。↑
振袖の帯枕
振袖用と言っても良いですね。お馴染みのハマグリ枕(左)と文庫枕(右)です。ハマグリはふくら雀結びに、文庫は文庫結びに。
普通の枕でも代用できますが、文庫などはやはり文庫枕のほうがきれいにできますね。
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文庫枕が進化系?これなら文庫が落ちてこなくて済みそうです。
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改良枕
何かときもの学院で買わされる感の強い改良枕ですが、なかなか便利なものです。
- 自装で変わり結びをしたい時
- 短い帯をしたい時
- 朝早い時
- 疲れている時
- 腕が上がらない時
- 年を重ねたら
・・・などなど使える時は結構あります。
形を作っておいて後は背負って胴を巻いて、帯締め・帯揚げをするだけです。
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実はこちらのM姿の改良枕はひとつ前のタイプ。↑
すればいいのになぁ。
帯枕の乗せ方:自装
お太鼓の上線になる位置と帯上線の間に片手を置き、保持します。(通常はタレに隠れて見えないのでタレをまくっています。)
もう一方の手で帯枕を持ち、保持している手に持たせます。
そのまま帯の上線に乗せます。(タレ元を開いて作った三角の頂点の上辺り。)ガーゼの紐は前方に引きを保ちます。
ガーゼを脇の近くで両方均等に持ち、同じ力加減で上から斜め下前方に引きます。均等に持つことで帯枕が背中心に落ち着きます。
そうすると帯枕が背中に密着します。帯枕の下線を帯の上線と背中の間に入れ込むようなイメージです。
確実に帯上線に乗せるとお太鼓は下がってきません。
その後の処理は以下をご覧ください。
皆さん、次はお待ちかねの帯結びです。 名古屋帯の一重太鼓結びは着物教室のお稽古で必ず初めに習う最も基本的な帯結びです。この結びを習得すればどこでもお出かけできます。 習得目標 帯の扱いに慣れる お太鼓の構[…]
お太鼓結びがお太鼓たる所以
お太鼓結びがお太鼓たる所以(ゆえん)発見。
じゃーん!
お太鼓結びの上線とお太鼓橋の形を見てください。同じですね。
これがお太鼓の理想形ではないかと思います。
あなたの理想的な帯枕に出会えますように!