いきなりインバウンド復活しちゃいましたね。    着付け体験も茶道も復活で、なんだかあわただしい日々を送っています。

素材、染と織、仕立て方からみる簡単な着物の分類、帯もね。

着物の素材はどんなものがあるの?

染と織って何?

どんな仕立て方があるの?

着物を知れば知るほど「それは何?」が増えてきますね。

今回は素材、染と織、仕立て方の観点からどのように分類されているのか簡単に見ていきましょう。

これから着物を着たい方に知っていると良い知識をお伝えします。

 

着物

洋服の場合、素材や染め・織り、ましてや仕立てなどはあまり意識しませんが、着物はやはりこだわる方が多いのではないでしょうか。

素材

着物の素材と言えば絹をすぐに連想すると思いますが、実は素材は様々なのです。

:絹にも色々あります。先ず養蚕か野蚕かで違います。また、カイコさんが食べる葉っぱでも違いが出てくるんですよ。

次に生糸か真綿かで風合いが異なります。イメージ的には「滑らか光沢染のきもの」と「ほっこりマットな織のきもの」です。

絹は冬は暖かく、夏は涼しく着ることができます。(絹のスペシャリスト談)

 

生糸と真綿を織ってみると

どちらが生糸でどちらが真綿でしょう? はい、左が生糸で右が真綿です!まさに光沢とマットですね。

 

絹の洋服ならホイホイと気軽に洗っちゃいますが、着物の場合は生地の他にも気を使わなければならない装飾的要素が入ってきますからお手入れには気を付けたいですね。プロの手を借りた方が無難かな。やっぱり仕上がりがきれいです。

よく「絹は縮む」と聞きますが、実は絹自体が縮むのではなく糸の撚りが縮むのだそうです。(悉皆屋さん談)

シボのある生地は特に縮みますよ!!

 

:夏には欠かせない麻素材。やっぱりさらっとして涼しいですよね。植物素材ならではの着易さです。ちょっとシワになりやすいですが、盛夏の着物では着物を着る人にとってはおしゃれ感は非常に高いです。周りの人にも清涼感を与えます。(着物の上級者談)

 

綿:綿は普段きものには欠かせない一年中活躍する素材です。厚手、中厚、薄手などいろいろ厚さがあります。浴衣が一番身近な綿着物でしょうか。シワになる、膝が出るという問題も改良によって解決されてきています。デニム着物も着心地◎です。ほとんどシワにならず、着易いしカッコいいです。自宅で洗えるのが嬉しいです。

 

ウール:最近はあまり見かけませんが、今でもあります。まい吉は反物から仕立てました。気軽に着られる普段着です。パッと見は紬に見えます!(言わないと分からないです。)おしゃれ洗いでどうぞ。

 

化繊:普段着も礼装もあります。従って模様も様々です。あまりにお安い化繊着物は胴裏も化繊ですから滑りやすいので初心者の方には着るのに扱いにくい場合があります。化繊でも高級なものは絹と同じように見えますし、着易いです。

お手入れは簡単です。汚れても汗かいても家庭の洗濯機や手洗いで気軽にジャブジャブ洗い、軽く脱水かけてピーンと干しておけばオッケーです。汗びっしょりな夏には最適です。最近ではジャージ着物もあります。(とっても着心地楽です。)

 

染めと織り

大きく分けて「白生地を織ってから染める後染め」「染めてから生地を織る先染め」があります。前者が「染め」、後者が「織り」です。

 

糸のより方はもちろん織り方、染め方でそれぞれ風合いが異なります。後染めの着物は別名「柔らかもの」と言われています。

大きく分けると以下の通りです。

 

  • 生糸で作られる白生地を後染めする着物 ―― 色無地、小紋、絽、礼装用の着物
  • 生糸で作られる先染めの着物 ―――― お召、銘仙、紗、大島紬
  • くず繭(真綿)で作られる先染めの着物 ―――― 紬

 

後染めのいろいろ:生地にのり置きをして染める友禅染。生地に直に描く手描友禅。型を使って染める型染め。生地を糸で絞って染める絞り染め。生地を板で挟んで染める板締め。

先染めのいろいろ:図案に沿って糸の時点で模様になる部分を糸でくくり染め、そして織る。銘仙は縦糸に模様を施してから織る。

 

  • 代表的な染めの着物:京友禅、加賀友禅、東京友禅、江戸小紋、紅型、更紗、絞り染め、板締め、ろうけつ染め、墨流し染め
  • 代表的な織りの着物:大島紬、結城紬、久留米絣、牛首紬、上田紬、塩沢紬
  • 基本の織り方3種:平織、綾織、繻子織

 

仕立て方

着物のことを長着と言います。季節によってそれぞれ仕立て方が違います。

袷(あわせ):寒い時期。基本は10月から5月まで。最近では10月からゴールデンウイークの前あたりまで。胴裏と八掛(裾回し)の裏地が付きます。胴抜き仕立てもあります。衿は広幅がほとんど。

 

単衣(ひとえ):気温が高くなりつつある頃。基本は6月と9月。最近ではゴールデンウィーク頃から9月中頃まで。単衣の時期が長くなりつつあります。裏地は付けません。居敷あては好みで付けます。背伏せを付けます。衿は広幅がほとんど。紗と単衣を合わせた紗袷(しゃあわせ)もこの時期に着ます。

 

夏物(紗や絽の薄物、夏紬):従来は7月と8月。気温が25度以上なら着たいところ。透けないもの、例えば夏紬なら単衣として着ちゃいます!衿は広幅がほとんど。背伏せを付けます。お好みで居敷あてを付けます。

 

浴衣(綿・麻・綿麻):真夏はやっぱり浴衣!衿は三味線のバチの形をしたバチ衿。もちろん裏地はつけません。

 

ここでは半幅帯、名古屋帯と袋帯についてみていきます。

素材

:染と織両方あります。昔の重い絹とは違い、最近は新しい織り方の開発されてかなり生地が軽くなってきています。絹とひと言で言ってもかなりのバリエーションがあります。

 

:夏と言えば麻です。やはり軽くて風通しが良く涼しいです。化繊が混ざった物はシワになりにくいです。

 

綿:普段きものに綿の半幅帯でいかがでしょう。きれいな柄の洋服地でリバーシブルにして仕立てるとおしゃれです。

 

化繊:カジュアルの極みですね。安価で手に入りやすく色々な柄があります。やはり少々滑りやすいです。化繊素材は価格を押さえ、扱いやすくするために絹・麻・綿などと交織することもあります。

 

染めと織り

染はカジュアル。織は礼装。着物と逆ですね。「染の着物に織の帯」と言われる”ゆえん”でしょうか。もちろん物には例外というものもありますが。

染帯で金彩・銀彩、織の帯で金糸・銀糸が使われているとフォーマルまたはよりフォーマルに近くなります。

 

染の帯:総柄やいわゆる「お太鼓柄」とか「ポイント柄」の帯です。染め帯と言えば塩瀬が有名ですね。また紅型、更紗などの型染めの帯もあります。

 

織の帯:織と言えばフォーマルでは西陣織、カジュアルでは博多織が代表的なイメージがあります。組紐の技法を使って織っていく(編んでいく?)帯もあります。紬に合わせたい野蚕や栗虫の繭から作られた糸で織られた帯などはとても素朴です。紬の帯はそれぞれの産地によって違った味わいがあり見ていて楽しいです。刺繍なども施します。

 

夏帯:糸の本数を減らし風通しを良くしています。絽、紗、羅などがあります。

 

仕立て方

半幅帯:幅は15~17センチです。博多織の単帯やリバーシブルの小袋帯があります。長さは浴衣帯並尺で3.5メートル、浴衣帯長尺や普通の半幅帯は4メートル以上あります。

 

名古屋八寸帯:幅30センチほどの単の帯です。松葉仕立てはお太鼓部分の両端をかがります。またテ先20㎝前後を半幅にしてかがります。そのため着用時に幅出しできます。長さは3.6メートルから。

八寸:反物幅約30㎝ 松葉仕立て 芯なし単帯 仕上がり寸法 幅30㎝

 

名古屋九寸帯:お太鼓柄や総柄などで幅31センチの反物に帯芯を入れ、テ先から胴まで半幅にする名古屋仕立てにします。綿や絹の芯は生地の厚みや季節によって変えます。長さは3.6メートルから。

九寸:反物幅約35㎝ 名古屋仕立て 芯入り 仕上がり寸法 幅30㎝

 

京袋帯:リバーシブルですが、名古屋帯くらいの長さで4メートル前後です。柄を複数にして結び方を工夫すると胴やタレ先にいろいろな柄を出したりして楽しめます。

 

袋帯:袋状に縫い合わされた帯です。リバーシブルなどでおしゃれ着からフォーマルまで。金糸銀糸、刺繍、螺鈿、真珠箔などの装飾はまた織り方も様々です。丸帯を軽くシンプルに改良し結びやすくした帯です。全通柄と六通柄があります。

通常、芯を入れて仕立てますが、まい吉の場合、張りのある生地の場合はいれません。また振袖など変わり結びをしたい時もいれません。テ先タレ先の閉じは自分でやります(経費削減!)

袋帯でももちろんリバーシブルではないものもあります。個人的感想ですが「リバーシブルで使えますよー」と言う袋帯でも案外使えなかったりします。(笑)

最近の振袖用帯は裏がきれいな色だったりしますね。その場合は形にメリハリが出るので積極的に裏色も使います。

日本人の体格が変わってきたことにより、最近の帯は長くなっています。4.5メートル以上はあるかな。名古屋帯もやたら長いような気がします。実際、半幅の幅はプラス2センチで15㎝から17㎝になっています。

 

 

まい吉
さて、まい吉が知っている限りの基本的な分類でしたがいかがでしたでしょうか。「なるほどー!あ、これがそうだったのね。」とか思っていただけると嬉しいです。

 

 

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